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創業者からのバトン

 「人間力」でニーズ開拓

大伸株式会社
代表取締役社長 赤嶺克俊

​企画・制作 沖縄タイムス社営業局

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 わが社は1966年に「大伸冷凍」として創業しました。発起人となった「七人の侍」(那覇市小禄の経済同友会のメンバー7人)が、当時那覇市議で、のちに沖縄県議を務めた私の祖父・赤嶺愼英(しんえい)を初代社長に担ぎ、地元(大嶺)を盛り上げようと起業しました。ですから、「大伸」には「大嶺を伸ばす」という意味が込められました。2代目社長は発起人の一人・上地正雄で、強固な経営基盤を構築しました。3代目社長は、創業の翌年に入社した私の父・赤嶺克己です。
 創業時は米軍統治下だけに冷凍食肉の流通が盛んで、冷凍冷蔵庫の普及も予想されたことから、冷凍食品の輸入販売を事業に選びました。

 創業当初の収入源は、営業倉庫の保管料がメインでしたが、輸入牛肉割当制度(本土復帰特別措置)、500トンから1500トンへの冷凍冷蔵庫増築(1973年)が、成長の大きな要因になりました。1990年には本社を那覇市前島から浦添市西洲の卸商業団地へ移転し、3000トンの冷凍冷蔵庫も新設しました。
 食肉輸入業界の試練となった輸入牛肉自由化(1991年)以降は、わが社の経営方針が市場の動向とうまくかみ合い、業界の状況とは逆に躍進し、発展の流れに乗ることができました。在庫を過剰に抱えず、英語が得意な3代目社長自ら海外のミートパッカー(精肉業者)へ出向き、商談を繰り返し、ビーフビジネスをより良いかたちで継続できたからです。
 一方で、事業を「冷凍」に特化せず、臨機応変に事業の多角化を進めました。例えば、総菜製造部門を立ち上げて付加価値の創造に努めました。また、県漁連の仲買人資格を取得し、冷凍だけでなく生鮮魚介類の業績も伸ばしました。衛生管理も徹底し、ISO9001品質マネジメント認証等を取得しました。

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創業時の社屋を増築落成=1973年、那覇市前島

■「誠実」を受け継いでいく

 

 初代社長・愼英は、成績よりも人間性を重んじ、相手の健康を気づかう人徳のある人物で、地域の皆様にも尊敬されていました。愼英は、社是「和と繁栄」、社訓「顧客を大切に 常に持て誠意と情熱 人生は勝者に楽しく 敗者には悲惨たるを知れ」を掲げました。それらの言葉の背景に、愼英の誠実な人柄を感じます。「誠実」は「創業者からのバトン」だと私は思っています。
 3代目社長・克己は「大伸冷凍」から「大伸」への社名変更(2001年)を前に、経営理念「わが社は健康と明日の活力創造を助ける総合サービス業を目指す」を掲げました。冷凍食品で大嶺を伸ばすという創業時の志を、総合サービスで沖縄の暮らしを大きく伸ばすという志にステップアップしたのです。

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経営方針を発表する赤嶺克己前社長=1998年

■業界一のサービス目指す

 そして2011年、私が4代目社長に就きました。経営理念を企業理念に格上げし、新たに「私たちは誠実、正直、効率よくをモットーに価値あるものを提供し 地域社会に貢献する」を経営理念に掲げました。
 さらに、それを具体化して経営ビジョン「私たちは人を育て、社員の成長を喜びとして地域社会から愛され、必要とされ、お客様から選ばれる企業となる」にし、役職員と共有しています。その経営ビジョンの核となるのは、私自身を含む「人間力」の強化です。
 今後は大伸アカデミーを設立し、人材育成を通して「この人と一緒に働きたい」と思えるような魅力ある役職員を育て、共にときめきあい、一緒になって、人手不足が加速する地域社会からニーズを開拓し、付加価値を付けた業界一のサービスを提供していく所存です。(談)

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