交流サイト(SNS)を悪用した詐欺被害が県内でも後を絶たない。投資への関心が高まる中、著名人や専門家をかたるなどして金銭をだまし取るSNS型投資詐欺、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭を要求するSNS型ロマンス詐欺が増加。今年8月末現在で、すでに総額約10億6000万円の被害が発生している。人生を支える大切な財産を守るため、詐欺の実態や被害に遭わないためのポイントを知ろう。(企画・制作 沖縄タイムス社営業局、後援・沖縄県警察)
会ったことない人からお金の話 詐欺疑え
■架空の利益で安心させる
SNS詐欺の手口は巧妙化している。沖縄県内の実態を沖縄県警本部に聞いた。安全なまちづくり推進室の島袋貴男室長によると、投資詐欺では「専用のアプリを入れて、少額から取引をさせ、画面上は利益が出ているように見せかける。利益を実際に引き出させることもある」。実際のお金を見て被害者がすっかり安心したところで高額を入金させ、いざ出金しようとすると引き出せない、税金がかかるなどといって逃げられる、というパターンだ。ロマンス詐欺では「2、3カ月は本当に普通の会話、やりとりが続く。すっかり信頼させたところで、お金の話に誘導される」
では、だまされないために何が重要か。まずは「会ったことのない人からお金の話が出たら詐欺を疑う」ことだ。また、特殊詐欺の手口にも共通するが「考える余裕を持たせないよう、今しかないなどと急がせるのも特徴。あなただけですよ、誰にも言わないで、広めないでと相談させないような言いぶりも要注意」という。
実際にお金を入金する際にも立ち止まって見極めるべきポイントがある。「口座振り込みの場合、やりとりしている窓口は企業のはずなのに、入金はなぜか個人名義の口座であるとか、毎回違う名義の口座に入金させられるのは怪しい。ロマンス詐欺でも、日本人と連絡を取り合っているはずなのに外国人と思われる名義の口座だったり、全く違う名前の口座だったりすると危険だ」
■立ち止まって確認しよう
併せて、とにかく確認することだ。ネット投資アプリや、やりとりしているメールアドレス、電話番号をネット検索してみると被害状況の書き込みがある場合もある。専門家や公的機関の人物を名乗っている場合は、所属機関に直接電話して、その人が実在するか、自分とやりとりしている人と一致するか確認を。その場合は、メール末尾などにある電話番号ではなく、公式のサイトを検索してその連絡先に問い合わせることが大事だ。
■入金前に誰かに相談して
同本部は「自分の身を守るネットリテラシーを身につけてほしい。正しい情報と間違っている情報を判断できる力を培ってほしい」と呼び掛ける。被害者はただでさえ思い込んで自分で抱え込みがちだが、それに加えて、被害金の入金も、暗号資産などネット上で完結する方法が増加傾向で、第三者が気付いて介入できる場面が減っている。おかしいなと自分で気付く力がより大事になっているからだ。「当事者が『どう思う?』と身近な人に聞くことが、未然防止のきっかけになる。1度立ち止まる。ワンクッション置くこと」。それに尽きる。
私たちはSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺被害防止に賛同します。
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