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創業者からのバトン

「社員とその家族」守る

三和金属株式会社
具志堅 一真 代表取締役会長

​企画・制作 沖縄タイムス社営業局

創業者からのバトン_三和金属メーン

 わが社は1954(昭和29)年に創業し、非鉄金属卸売、産業廃棄物処理を通して資源リサイクルに取り組んできました。創業者は私の父・具志堅善義です。 明治生まれの創業者は「黙して言わず」というタイプでした。困っている人を放っておけず、皆がご飯を食べられるように黙々と弱きを助ける人でした。

​ わが社は「社員とその家族を守る会社にする」を経営の原点とし、寄付活動にも積極的に取り組んでいますが、そこには、創業者の思いや徳が受け継がれていると思います。

 

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2018年の社員旅行(台湾)

■ユニークな意識改革

 

  私は2005(平成17)年に4代目の社長に就任しました。他業種に勤めたほど役職に欲がありませんでしたが、一転して、社内改革に取り組まなければならない立場になりました。会社に入社して痛感したのは、自分の思う通りにならないことでした。先代たちは成功体験があるものですから、私が何かを提案するとたちまち反対でした。

 私の方にも経営について何も知らないという負い目がありました。改革しなければならない状況でしたが、なにをどう変えてよいのか分からなかったのです。そこで、私は、全国各地の同業者を月2回のペースで訪ね歩きました。先方の仕事に対する姿勢を学び、工場内の細部まで見学させてもらい、参考になりそうな事例を貪欲に収集しました。そして、そのまま真似たり、わが社流に改善してどんどん導入しました。社員にも県外出張させ、気づきを改善につなげる体験をしてもらいました。それが、全員参加による意識改革の第一歩でした

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上司と部下がコミュニケーションをとるサシメシ制度

 その後、業務の効率化を図る「チャットワーク」(iPhoneを活用しあらゆる仕事の情報共有)、お客様にどれだけ感動してもらえるかを目指す「15秒ルール」(お客様をお見掛けしたら15秒以内にお声掛け)、「サシメシ」(上司と部下が2人で昼食)や「ノミニケーション」(社員数人によるネガティブな話をしない会食)、社員に健康維持の為禁煙をしてもらう「健康手当」(勤務時間外も含め完全禁煙推奨)の支給などを次々に実施してきました。経営計画はいわば逆算型で、年度初めに過去3年分のデータと今後の仮説を立て売上・利益の目標を決定します。その中で賞与・寄付金を事前に予算に入れて実行していきます。

 いろいろな意識改革を実施していますが、社員のモチベーションを上げるうえで一番響く思いは、創業者の思いと重なる「社員と社員の家族を守る」に尽きます。

■失敗を容認する

 

 私は今年2月に34歳の後継者へ事業承継しました。私自身の経験上、社長は小さな失敗を重ねながら多くのことを学びます。社長としての優秀さは失敗の数の多さとその失敗からどう「改善」できるか、その積み重ねだと思います。決定権を持ち、経営の全責任を負い向かい合い続ける事が成長につながります。5代目社長には、是非わが社に新風を吹き込んでもらいたいと期待しています。経営は楽しいですよ(談)。

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